第七世界
俺が独自の判断で決めるとするならば、屋台あたりがいい塩梅じゃないのだろうか。

料理を作って提供するだけだしな。

いや、少し待て。

刹那がいるこのクラスにおいて、料理はデスワードになる。

「刹那、この馬鹿な男は内心で君の料理を馬鹿にしているぞ」

楓がとんでもなく余計な事を口走った。

「余計な事を!」

俺の顔面は刹那のとび蹴りと黒板に挟まれた。

その瞬間に見えたのは、メロディーちゃんのパンツである。

「恭耶はもっと心の内でも人をほめたたえなあかん!」

よくわからない事を言われてしまった。

しかし、この蹴りを出せるならば、ファイトクラブでもすればいいんじゃないだろうか。

「クラスメイトの票決をとろうじゃねえか」

両頬を摩りながら、俺は黒板に描かれた六つの出し物を選ばせる事にした。

クラスメイトに紙を配り、五分待つ。

一人で紙を集め、一人で集計。

これほど面倒な作業はない。

絶対、二人でしたほうが早いだろうに、俺に苦労させる意味あるのか。

確かに、積極的に関わるつもりはないのだがな。

「えー」

決まったのはお化け屋敷だった。

今時お化け屋敷か。

真面目にやったとして、どこまで出来るんだよ。

極度に怖がりな人間でない限り、悲鳴を上げさせるのは難しいのではないのだろうか。

俺の中で簡単なのは、占いの館だと思っていた。

だって、ここに人の心を読む教師がいるのだからな。
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