第七世界
「それじゃ、今日はこれまで」

決まったところで終わった。

後は学園祭の会議でいろいろと決まり、明日から役を決めたり、組立作業に入る。

「肩がこるねぇ」

任を解かれた俺は一息ついて、帰る準備を行う。

「何を思っているのかは知らないが、君はここで相当がんばらないと厳しいぞ」

教室を出ようとする楓が追い討ちをかけるかのごとく、俺を酷使しようとする。

「俺は他の一般性とと変わりのない人間だと自負している」

「自分の思い込みというのは恐ろしいものだな」

「楓みたいな教師がいる限り、思い込みを駆使しなければ生きていけないぞ」

「ほう、私は君を贔屓しているつもりでいるのだけどね」

俺にとってマイナスにしかならない贔屓などほしくはない。

「まあ、明日から君は組み立てを期限内に仕上げたまえ」

その一言を残し、去っていった。

「くっそ、私怨すら感じるぞ」

かといって、俺は学校をさぼる事はしない。

学園生活は今しか楽しめないのである。

「おい、刹那」

声をかけるが姿がない。

「先に帰りやがったのか」

料理の事で怒ったのかもしれない。

犬子の姿もない。

犬子は退院してから、ティーナさんの家に世話になっているらしい。
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