第七世界
「それでもええ。一人は嫌や」

出来るだけ口にチャックをしておくか。

「じゃあ、寝るか?」

「うん」

元気はないけども、帰ってきたときよりは戻ってきている。

自分の部屋に入ると、刹那も入ってくる。

「俺は床で寝るから、お前はベッドを使え」

余りの掛け布団ぐらいはあったはずだ。

「離れてたら意味ないやんか」

「は?」

「一緒って、こういうことや!」

俺は蹴られてベッドに倒れこむと、刹那が横に寝転がった。

「おいおい、ちゃんと男と女ということを考慮して、取った案なんだぞ?」

幼稚園児扱いされるが嫌だというから、床とベッドで別れてやったのに。

結局、脳みそは園児並なんじゃねえか。

「うるさい!」

隣からの秘孔攻撃にもだえ回る。

「わかった。ひでぶする前に止めてくれ」

俺の抑止によって刹那は置物のように静かになった。

「疲れてるんだから寝ろ」

「久々やのにごめんな」

俺が壁の方に向くと、小声で囁いてきた。

一瞬、革命でも起きたのかと思ったが、違うみたいだ。

「久々なんだから、暴れたくなるんだろ?」

「全部、恭耶のせいやんか」

謝るのに強気、行動が矛盾してるよな。

「俺も至らぬところがあった。ごめんな」

「うん」

そこは素直に頷くところじゃねえだろう。

心の中でツッコミ続けながらも、刹那の声が聞こえなくなった。

本当に疲れていたから眠ったんだろう。

俺も寝るとしよう。
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