第七世界
駅前。

四人は降り立った。

しかし、人の数が多く目的の人物を探すのは困難を極める。

「四天王についているとは限らない、が」

「くく、あの異性装の輩を捕獲すれば、後で楽になるんだろう?」

「ああ」

光蔵の知り合いの中で、美に執着する人間は一人しかいない。

家族は魔の存在に敏感であるために、仮面が何かを理解するのは他の人間よりも速い。

「今日は服屋に行くといっていた」

「なら、確実性のあるところには、君にいってもらおうか」

楓が服屋を乾に一任する。

「海江田、君は商店街方面だ」

「くく、僕のところで見つかるといいねえ」

海江田は一足先に商店街へと歩いていった。

駅前からだとどこへ行っても近い。

「恭耶、君は私と来るんだ」

「は、はあ?俺も手分けして探したほうが速くないか?」

「君には肉壁という立派な役目がある」

「おいおいおいおい!大人としての役目を果たせよ!」

二人のやり取りを最後まで見ることなく、光蔵はキャサリンが向かいそうな服屋に足を向けた。

手始めについたのは、最近出来たショッピングモールである。

多彩な服屋が並んでおり、最新のファッションも取り扱っている。

四階構成で、一階から三階に服屋が散らばっている。

四階はレストラン街であり、服屋は存在していない。

光蔵は一階からしらみつぶしに行動する。
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