第七世界
「カマと貧弱なガキに嫉妬するわけねえだろうが!」

怒りによって壁を殴ると、拳が壁を破壊してめり込む。

ちなみに、壁はコンクリートで出来ている。

「あら、暴力?男もそれじゃ引いちゃうわよねえ」

キャサリンは口元を押さえて笑いを堪える。

「ぶっ殺されたいのか?」

「やる?いいわよ。その代わり、停学になったら美祢の怖い両親は何ていうかしら?」

美祢の暴力を見ても、キャサリンは一歩も退こうとはしない。

「カマああ」

美祢にとって、強面の父親は恐怖の対象であった。

「カマカマ言わないで頂戴。それと、乾を怒らせるのも得策じゃないわ」

「ち、面倒くさ」

美祢は段々冷静になっていき、握力によって軋んだ音を出している携帯を折りたたんでポケットに直す。

「あーあ、これから合コンあんのに」

美祢は不満を持ちながらも、先に保健室から出て行く。

「何も会議のある日にセッティングしなくてもいいじゃない」

キャサリンも一安心しながら、美祢の後に続いて保健室を出る。

「会議のある日だからセッティングすんのよ」

二人は、並んで四天王の会議会場へと向った。
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