第七世界
「埃っぽい場所だな」
店内は薄暗く、他の客は存在しない。
広いとは言いがたい店の棚には骨董品が並んでいる。
大きい物から小さい物まで様々だ。
刹那は目を輝かせながら、色々と見て回っている。
俺は骨董品の良さなどわからない。
物には歴史があるだとか、キザな事も言わない。
ただの壷で、ただの皿としか見えないのだ。
自分の感性のなさに、嫌気がさすけどな。
一つの大きな壷の値段を見ると、キリだったようだ。
「200万!?」
ふざけるのも大概にして欲しいな。
花とか活けるだけの物に、そんな大金を払う奴の気がしれない。
「恭耶、ちょっとうるさいで」
「良い物を買うとは言ったけど、高すぎる物は駄目だぞ」
「いちいち言わんでもわかってるわ」
刹那が選んだのは、長く手入れがされていない小汚い熊の人形だ。
「ウチ、これでええわ」
「お前、俺の考えを超越したな」
中途半端な値段を選ぶのではなく、一番安い値段を選んでくれたようだ。
それでも、値札には2千円と書かれている。
「おい、詐欺だろ?」
「何を失礼なことをぬかしとんねん!」
熊形拳の肘を腹に撃たれ、三歩程度後ろによろめく。
どこから形意拳などを学んでくるというのか。
「買うのは俺なんだから、文句の一つくらいは言わせろよ」
「あかんあかん。店の物に失礼なこと言ったら、売ってもらわれへんようになるやんか」
「平気で人を殴るのはあかんの内に入らないのかよ?」
「恭耶はええんや」
自分勝手な理由を述べて、カウンターらしきところまで人形を持っていった。
店内は薄暗く、他の客は存在しない。
広いとは言いがたい店の棚には骨董品が並んでいる。
大きい物から小さい物まで様々だ。
刹那は目を輝かせながら、色々と見て回っている。
俺は骨董品の良さなどわからない。
物には歴史があるだとか、キザな事も言わない。
ただの壷で、ただの皿としか見えないのだ。
自分の感性のなさに、嫌気がさすけどな。
一つの大きな壷の値段を見ると、キリだったようだ。
「200万!?」
ふざけるのも大概にして欲しいな。
花とか活けるだけの物に、そんな大金を払う奴の気がしれない。
「恭耶、ちょっとうるさいで」
「良い物を買うとは言ったけど、高すぎる物は駄目だぞ」
「いちいち言わんでもわかってるわ」
刹那が選んだのは、長く手入れがされていない小汚い熊の人形だ。
「ウチ、これでええわ」
「お前、俺の考えを超越したな」
中途半端な値段を選ぶのではなく、一番安い値段を選んでくれたようだ。
それでも、値札には2千円と書かれている。
「おい、詐欺だろ?」
「何を失礼なことをぬかしとんねん!」
熊形拳の肘を腹に撃たれ、三歩程度後ろによろめく。
どこから形意拳などを学んでくるというのか。
「買うのは俺なんだから、文句の一つくらいは言わせろよ」
「あかんあかん。店の物に失礼なこと言ったら、売ってもらわれへんようになるやんか」
「平気で人を殴るのはあかんの内に入らないのかよ?」
「恭耶はええんや」
自分勝手な理由を述べて、カウンターらしきところまで人形を持っていった。