第七世界
「すいませーん、これくださーい」
店主の姿がないので、刹那が仕方なく呼ぶ。
だが、聞こえてないのか、姿を見せない。
「すいませーん!」
二度目も効果がないようだ。
「おーい、誰もいないのかよ!」
刹那よりも大声で叫んだところ、今にもくたばりそうなほどの爺が出てくる。
「近所迷惑な客じゃ。そんなに叫ばんでも聞こえとる」
じゃあ、さっさと出てこいよ。
口に出して言いそうになったが、刹那の奴に殴られるのもたまったものじゃない。
「おじいさん、これ、欲しいねん」
「ほう、いいものに目をつけたのう」
「これがあ?」
「あんたは黙っとき!」
横から肘を腹にぶち込まれる。
俺は皆の気持ちを代弁して言っただけなのに、殴られるとは思ってもみなかったぜ。
「それはな、一人の老人と少女とのお話が詰まっておるクマの人形なんじゃ」
「そうなんや」
「わかったから、早く売ってくれ」
「あんたはこの寂しそうなおじいさんの話を聞きたいと思わんの!?」
「失礼な事を言ってるのはお前だろ」
寂しそうにしていても、口に出すのは問題があるぞ。
「いいんじゃ、お嬢さん、ワシの話を聞いてくれるか?」
「うん」
このまま、クマの逸話を聞かなくちゃならないのか。
正直、さっさと買って帰りたい。
どうせ、面白さなど篭っていないんだろうからな。
「お前さ、本当に聞きたいわけ?」
「めっさ聞きたいに決まってるやろ!」
俺は刹那の額に掌を当てる。
「熱はないか」
「あるわけないやろ!」
首筋に突きを入れられ、その場に倒れた。
店主の姿がないので、刹那が仕方なく呼ぶ。
だが、聞こえてないのか、姿を見せない。
「すいませーん!」
二度目も効果がないようだ。
「おーい、誰もいないのかよ!」
刹那よりも大声で叫んだところ、今にもくたばりそうなほどの爺が出てくる。
「近所迷惑な客じゃ。そんなに叫ばんでも聞こえとる」
じゃあ、さっさと出てこいよ。
口に出して言いそうになったが、刹那の奴に殴られるのもたまったものじゃない。
「おじいさん、これ、欲しいねん」
「ほう、いいものに目をつけたのう」
「これがあ?」
「あんたは黙っとき!」
横から肘を腹にぶち込まれる。
俺は皆の気持ちを代弁して言っただけなのに、殴られるとは思ってもみなかったぜ。
「それはな、一人の老人と少女とのお話が詰まっておるクマの人形なんじゃ」
「そうなんや」
「わかったから、早く売ってくれ」
「あんたはこの寂しそうなおじいさんの話を聞きたいと思わんの!?」
「失礼な事を言ってるのはお前だろ」
寂しそうにしていても、口に出すのは問題があるぞ。
「いいんじゃ、お嬢さん、ワシの話を聞いてくれるか?」
「うん」
このまま、クマの逸話を聞かなくちゃならないのか。
正直、さっさと買って帰りたい。
どうせ、面白さなど篭っていないんだろうからな。
「お前さ、本当に聞きたいわけ?」
「めっさ聞きたいに決まってるやろ!」
俺は刹那の額に掌を当てる。
「熱はないか」
「あるわけないやろ!」
首筋に突きを入れられ、その場に倒れた。