第七世界
今、家に帰っている途中だ。

佳那美は「大丈夫だから、時間も遅いし帰ろう」と言って学校を後にする。

「家まで送ろうか」と言うと、「一人で帰る」と言って走って帰ってしまった。

素早かったので止めようもなく、数分立ちっぱなしでいた。

「本当に一人で帰らしてよかったもんなんだろうか」

心配しながらも家路に着く。

家の中にはいるはずのない楓が、テレビを見ながら横になって寛いでいる。

「何でオメーがここにいるんだ?」

「今帰ったの?遅かったな」

「質問に答えろよ、何で家にいんだ!?しかも、宿直じゃなかったのか!?」

「細かいことはいいじゃない、長年の中なんだし。宿直はだるいからさぼった」

「さぼっていいのか?それより、どうやって家に入った?」

「ああー、質問ばっかりだな!他人の事ばかり気にしてると立派な人間になれんぞ」

「自分の家あるんだし、そこで寛ぎゃいいだろ」

「連れない事言うなよ。こっちの方が居心地がいいんだ」

「だからって、おい!」

気づくと楓は眠っている。

いくらなんでも話の途中で寝るなよ。

「一回寝たら何が起ころうと起きないからな」

楓の上に布団を掛ける。

「こんなとこで寝てたら風邪ひくぞ」

俺も寝るか。

今日は疲れた。

佳那美と会ったからかもしれない。

いや、トイレ掃除のせいだろう。

自分の部屋に戻った後、すぐに床に着いた。
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