第七世界
「ちょっと来い」

刹那の腕を引っ張りながら、俺の部屋に連れて行く。

部屋の真ん中で二人立って、にらみ合っている。

「お前な、これからもこんなんじゃお互いが疲れるだけだぞ」

「誰のせいやと思ってるん?」

「そうやって、全部が人のせいみたいに言うのは止めろって言ってるんだよ」

「全部、全部、恭耶のせいやんか!」

涙目になりながらも訴えるが、俺も我慢の限界が近かった。

「大半は俺が悪いかもしれねえ。でもな、自分に何も悪気がないっていうのがどれだけ傲慢かわかってんのかよ!?」

刹那の両肩を掴んで、ベッドまで押していく。

「お互いに治すところを見てねえと、何もわかんねえままだろうが!そうじゃねえのかよ!?」

喧嘩腰で何もかもが、潰れていくようだった。

「ボクが、どれだけ、恭耶に会うの楽しみにしてたかなんて、全然解ってないんやんか!」

刹那の言動によって、速攻で行き詰った。

「恭耶は、ボクのこと何とも思ってへん。そんなん解ってんねん!」

不意打ちで肘打ちを痛めたボディーに繰り出す。

「おぐ」

気の緩んだ隙に刹那は部屋から出て行き、外に逃げ出そうとしていた。

外に出られると、また探さなくちゃならない。

「こちとら同じ過ち犯すほど、学習してねえわけじゃねえ」

窓を開けると、そこからショートカットを行う。

そして、玄関から出てきた刹那よの前に立ちふさがる。

「何も真夜中に出て行く必要はねえだろうがよ」

「こんな家、いたない」

「いつまでも我が侭いいやがって、いい加減にしろ!」

刹那に近づこうとすると拳を放ってくるのだが、俺はそれを受け止めた。

「今は殴られるだけで済ますわけにはいかねえ」

拳を掴んだまま、俺はおもいっきしシッペをかます。

「いた!」

刹那は苦悶の表情を浮かべるものの、俺は片手を離す気はなかった。
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