第七世界
散々からかってたからな。

そりゃ、嫌気もさすって話だ。

「その、なんだ、それは俺の責任だ。すまねえ」

「もう、嫌な事、いわへん?」

「自信はねえがいわねえように努力はする」

「ほんまに?」

「本当だ」

「ほんまのほんまに?」

「エンドレスするからそこまでだ。俺は嫌な事を言わないように努力する。だからな、お前の事、心配してるのは本当だ」

「うん」

これで仲直りできたのかねえ。

一件落着ってところか。

「それじゃ、家でゆっくり飯でも食うか」

「うん!じゃあ、今日はボクが料理作ったる!」

目を輝かせながら、やる気を見せる。

「え、お前、料理作れるのか?」

「ボクのこと、信じてないんか?」

「いや、だって」

口を滑らしてしまいそうになったが、別の事を考える。

「まあ、期待してるぜ」

「任せとき!ボクの腕前みせたるわ!」

二人して家の中に入り、楓を起こさないように刹那がキッチンで料理を作り始める。

本当のところは、恐怖心があった。

あいつはレシピを読むような奴ではないのだ。

作るならば独創性を追求するんだろう。

死なない程度の料理ならば、大丈夫だろう。

期待はせずに、自分の部屋で待っていた。

数十分が経ってから、刹那が俺の部屋の扉をノックする。

「ふう」

覚悟を決めて、地獄の門を開いてみる。
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