第七世界
「おー、いちち、全く、部屋に入るくらいいいじゃねえかよ」

制服に着替えた刹那と私服姿の俺がリビングで向かい合いながら座っていた。

ちなみに、俺はお腹が満たされておりで朝食が食えない。

「ボクはええとも何とも言ってへんやんか」

「刹那、心が狭いぞ」

「恭耶が礼節に欠けて、無粋なだけや」

刹那が俺が焼いたパンをかじる。

自分で焼くと恐ろしい事になると気付いているからだ。

「それより、何で制服着てないん?もうすぐ学校やで」

「今日は特別任務があるんだよ」

「ホンマは学校休みたいだけやんやろ?」

「あのな、小学生じゃあるまいし、お前よりは真面目だ」

「ふうん。じゃあ、今度のテストでボクより点数悪かったらどうするん?」

「お前からテストなんて言葉が出るとは思いもしなかったぜ」

「あんた、ボクに対してどないなイメージもってるんよ」

「そりゃ、幼稚園児並の知能、オハ!」

脛を蹴られて悶えてしまう。

「ほんま、その場しのぎでしか言わん奴や」

パンを食べ終えた刹那は不機嫌交じりに牛乳を飲み干して、鞄を抱えて出て行ってしまった。

「くそ、後片付けはきっちりしろよ」

俺は怪我を負いながら、時間まで食器の後片付けをこなしていった。



「ふう」

時間は正午を迎えようとしていた。

刹那が自分の料理の後片付けをしてなかったせいで、えらい時間がかかってしまった。

「将来、あいつの部屋は脱ぎっぱなしの服で満たされてるはずだぜ」

無駄口を叩いている内に、集合時間が迫っている。

「やべえ、30分前にいかねえと何されるか解ったもんじゃねえ」

急いで軽く用意を終わらして、集合場所へと向った。
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