SMOOCH!


     あめあめふれふれ

はじめまして、よろしくね

出会いの挨拶なんて
口に出すのは簡単で
にっこり微笑めば
知り合いになるのは難しいことじゃないし

けど、じゃあ何故

さよなら、ばいばい、

苦しくて言葉にすることができなかった
いつまでもいつまでも
二人は二人のままでいたかったのに

辛いことにはいつだって
片目をつぶって生きてきたけど

あなたと出会って多分
あたしはずっと両目を開けて
あなただけをみつめてた

ほんの一瞬のまばたきさえも
惜しくてたまらなくて

愛してる、なんて
ねえ、大人は
ガキのくせにと笑う?

けど確かに
そこにあったのは愛で
形の見えない愛は二人に温められてさ

ふるふる震えた
やがてもう一回り
大きな愛に成長した

それなのにいつからか
愛にきざぎざ
原因なんて、探せばいくらでも

砂利道の石ころを
両手でかきあつめるように、
いくらでも

もっといい恋しろよ、
なんてさ
一番言われたくない人に
一番言われたくない形で

あなたもね、なんて言えなかった
さよならさえも、言えなかった

たくさんの思い出は
涙にかすんで見えなくなった

あめあめふれふれ
逆さまテルテル坊主

ねえ、しばらくは
雨にしてくれますか

急に涙が出た時も
これは雨のしずくだと
言い訳できるように、



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