SMOOCH!


    雨の日



どんなときも
君は僕のそばにいて
笑ってくれたのに

君がいなくなった今はもう
その記憶さえ虚しすぎて

永遠なんてものがあるのなら
どうして君は
いなくなってしまったのだろう、

どんなに愛しても
愛しきれなかった
それくらい、
君だけを見ていたのに

あの日雨が降って
ちょっぴり寒そうな君に
傘を差し出したのは
僕だったのに

君にはもう
僕の小さな傘なんて
必要なくて

今君は
何を思っているのだろう
誰を愛して
誰の温もりを感じて
誰のそばにいたいと
願うのですか?

ちっぽけな僕は
傘を差し出すことしか
できなかったけれど
今君の隣にいるその人は
もしかしたら
大きなレインコートを
持っているのかもしれない

僕の傘なんて
足元にも及ばないくらい
すべてを守ってくれる
レインコートを

それでも僕は
僕だけが
君を幸せにできるのだと
信じてやまなかったのに、

だけど

二人で傘をさして歩いたあの日
君の右肩が濡れていて
僕の左肩も濡れていたから

やっぱり僕は
ちっぽけなのかもしれない


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