SMOOCH!



   きせき


広い広い空の下
あたしはいつもちっぽけで
でも貴方はそんな
ちっぽけなあたしを
探し出してくれたから

差しのべられた手を
あの頃はつかむことさえ
できなかったけれど、

闇にまみれて
真っ暗だったあたしに
愛の灯をくれて
それなのに
貴方の愛に応えられない事が
何よりも苦しかった

鳴り止まない電話も
拒んだキスも
貴方の眼差しも

ねえ、あたしは
飛ぶことを知らない
青虫だったから

貴方の大切さに
気づくことさえ
できなかった

それでも時は流れて
貴方と過ごした日々は
もう戻れない過去となって
いつかは消えてしまうのでしょう


今どこかで
貴方も同じ空を
見上げていますか

月が奇麗な夜は
貴方を思い出す
月、みたいな人でした

今でも果てない夜空に
手を伸ばせば
あの頃が蘇る

苦しかった日々
それでも、
貴方に出会えてよかった


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