SMOOCH!



    眠れない夜、



ほんとうは、
気づいていたはずでしょう

君の温もりも
高めの体温も
笑うと上がる口元も

すべて
過去になってしまうなんて

気付かないふりを
ずっと続けて
それでも、

ねえそれでも貴方を
愛したかった
愛しくて愛しくて
仕方なかった

人魚姫は愛する人のために
泡になったけれど
あたしは愛する人のために
何ができるだろう、

そばにいることに
どれだけの意味が
あるのだろう


一人枕を濡らす夜
月だけが見ていたけれど
ないしょよ、
そう言ったあたしを
そっと照らしてくれたから

不安で眠れない夜

もしかしたら
あの人があたしの夢を
見ているかもしれないと、
そう錯覚するの

ほらだって、
ほんのすこし
楽になれるでしょう


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