SMOOCH!



   月と星



あたしはずっと
あなたのそばで
輝いてきたから

あなたがいないあたしなんて
想像できなかった

涙は止まらない
枯れることはない
そう知ったのは
恋にピリオドを打った日

あなたは戻らない
そう悟った時
辛かった、でも
幸せを願うのが
あたしの役目なのだと、


あの日一緒に見た空には
月と星が隣同士
仲良しだねって笑い合って
あたしたちみたいと呟いた

それなのに何故

一人で見た空には
さよならしたあたしたち
月と星の距離は
確実に遠くなった

けれど星は
涙を見せなかった
それでも必死に
輝き続けて

月はそれを静かに
照らし続けたの


二人寄り添った日々は
過去になって
懐かしいと思う日が
いつか来るのかな

あなたの温もりも
抱きしめてくれた
あの大きな腕も

消えてしまうのなら
いっそのこと

触れないで
思い出として
いつまでも、

綺麗なままで――


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