マリア様と呼ばれた少女
愛川家は元々カトリック系の華族であり、
教会で礼拝がある度に車を走らせた。

まだ玲奈が産まれてない頃から
こういう風習はあった。



玲奈が3歳で初めて教会に行った時、

シスターが何かを託すように玲奈を見つめた。



その頃から玲奈はマリア様扱いされてた。







「マリア様、我を正しい道へ…」

「私…玲奈。マリア様じゃない…」







そう言っても認知度は「マリア様」で通じる。
「玲奈」ではあまり通じない。


「出席を取ります」




「…愛川玲奈さん」

「はい」

さすがに出席の確認は「玲奈」である。
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