蒼
アネモネ
今日も今日とて空は白かった。
なのに朝から暑くて体から汗がジットリでてくる。
こんな暑さの中、学校まで行くのだから友達ぐらいできてほしいものだと思う。
何が悲しくてこの暑さの中、一人で学校まで行くのだろう。
あたしが持っていたイメージとだいぶ違う。
全然違う。
普通は友達同士しゃべりながら歩いたりメールしたり電話したりするものではないのか?
なのに
どうしてあたしは一人なのだろうか?
都内の専門学校に行き、充実した人生を送っている親友を恨みたかった。
山より海の方が好きなのに…
山はあるわ林はあるわ森はあるわ。
なんたってこんな田舎に来てしまったのだろう。
これを思ったのは入学して何百回目だろうか?
もう数えきれやしない。
田舎が嫌いとは言わない。
今の環境が嫌なだけだ。
一人寂しく授業を受け、一人寂しく帰る。
このことさえなければ嫌だとは言わない。
ただ…一緒に学校生活を楽しく過ごしてくれる友達が欲しいだけたのだ。
毎夜毎夜、空を見上げて願っている自分を思い出すとなんとも虚しい。
あぁどうか一人で良いから、分かち合える友達ができますように。
だがまさか
この夢のような願いが奇妙な形で叶うとは思いもしなかった…。