そこから先は
「いるよ」



あたしはすかした顔で言ってやった。



駆はこの世の滅亡を告げられたかのように驚いた顔をしている。



どういう意味だよ、そりゃぁ。



「ウソだよ。そんなんいねぇよ」



しばらくしてから白状すると、駆はまたうっすらと笑った。



「やっぱりな」



重ね重ね失礼なヤツだな、コイツは。



「っつうかお前、時計みてみ」



駆のこの言葉を聞いてビックリした。



慌てて席を立つと、あたしは駆に負け惜しみのセリフを吐いた。



「お前も遅刻だろ?早く行けよ」


「俺は義務教育だからいいんだよ」



なんだかよくわかんねぇ理屈だけども。
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