そこから先は
       *





「ハル〜」



そう呼ばれて振り返ると、友達のアンリが笑顔で手をふりながら追いかけてきていた。



あたしは小さい時から友達に自分の事を『ハル』と呼ばせている。



アンリは小学生の時からそう呼んでいるので、あたしの本名なんてきっと忘れているだろう。


「おは」



あたしたちは短く朝のあいさつを交わすと、並んで歩き出した。



「今日の駆はどうだった?」



アンリはほぼ毎日この質問をしてくる。



どうやら駆の事が好きらしい。
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