そこから先は
両親が知っているのかはわからないが、あたしは駆の将来の夢というやつを知っている。



短い銀色の髪を逆立て、耳にいくつかピアスもあいているが実はものすごく頭のいいコイツなら叶うかもしれない夢だ。



やんちゃな行為も繰り返してはいるが、他人を傷つけたりは絶対にしない駆の事があたしは割と好きだ。



完全な非行少年ではあるが、性格は悪くないし見た目もなかなかのものである。



よって家に押し掛けてくる女も少なくない。



中にはホステス風の女や人妻だろうと思われる女もいた。



でも駆は全ての女に優しく接し、柔らかく断っていた。



そしてなぜかその女達は二度とうちには来なかった。



きっと駆うまく丸め込んだのだろう。



まったく、中坊のくせに。
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