Tactic
なぁ、トーコ。今頃、兄貴と並んで歩いてるの?

何話してるの?


ドキドキ……してるの?


そんなことばかりが、脳裏を駆け巡って……。


取り返しのつかないことをしたと思った。


そんな急にさ、素直になれねぇんだよ。


ましてや二人一緒に、、俺の前に現れんだもん。


素直になんて……なれるわけがない。


涙が枯れたら、何が流れてくるのだろう?


そんな疑問に答えを見いだす間もなく、俺の目からはたくさんの涙が溢れていく。

バカだのアホだの、どう誰に罵られてもいいさ。


気色悪いだのと、誰に避けられてもいいさ。


ただ、お前にだけはそう思われたくない。


かっこつけの俺がいる。

それが、仇となり自らトーコを遠ざけた。


そして、兄貴とトーコの距離を近づかせてしまった。
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