Tactic
翌朝、私は智也の家まで出向いた。


南木先輩は既に学校へ向かったというのに、案の定智也はまだベッドの中。


二階の部屋から覗く智也の姿。


「トーコ……」


驚きながらもそっと、私の名を呟いた。


「学校、行かないの?早く準備して降りてきてよ!!」


「行かねー」


「なんで?」


「……だりぃもん。テメェだけさっさと行けよ」

私も負けじと、智也に叫ぶ。


「智也が来るまで私ここでずっと待ってるからね!!」


その言葉に智也は一瞬、表情を歪ませた。
窓を思い切り閉めると、10分以上すぎても姿を現せない。

来てくれないのかな…そう思っていたとき、ガチャ…と扉の開く音が聞こえた。
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