Tactic
浜に通じる道は、公園の奥にあった。


公園から階段がついていて、少し登った先は、ジョギングコースのように補正された道路で、そこからまた下へと階段があり、砂浜が広がっている。


そんなに広くはない砂浜の先には海。


真っ黒で、昼間とは違う黒い闇に、波の音色が微かにきこえる。


うずくまりながら、私は南木先輩を待っていた。

もう、そろそろ着いてもいいころだ。


そう思っていた矢先、人の気配に気づく。


ゆっくりと顔を上げると、目の前には息をきらした南木先輩が立っていた。
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