Tactic
第9話 暗礁

side智也

深い眠りから目覚めると、青いはずの空は既に闇と化していた。


「いって……」


頭のてっぺんが割れるように痛い。


水をぶっかけられたのか、髪の毛から服までびしょびしょに濡れていた。


両手は、後ろ手にヒモで縛られ身動きが取れず、なおかつ、顔を上げたくても、肩がつっかえて上げられない。

ひれ伏した体は砂浜の砂が付着し、それに加え水と混ざり合っているからか、ぬめりを帯びた感触が俺の不快感を一気に駆り立てる。


「気がついたか?トモ」

低いその聞き覚えのある声色に、虚ろな目だけで見上げる。
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