Tactic
「冗談……キツイっすよ、叶さん」


「おいおい、殴ったのは俺じゃあないぜ?カジがお前の脳天ぶったたいたんだ」


カジ……あぁ、いつも叶さんの傍にいる赤い髪の毛をおったてている奴か。


俺は、集会場に顔を出していたとしても、ほとんど叶さんとしか話さない。


なんとなく、他の奴の顔と名前は一致するが、あまり深くは関わらないようにしていた。


特に、この赤髪のカジは顔のいたるところにピアスを開け、正直、一番近寄りたくなかった奴だった。


叶が合図すると、カジは俺の目の前に立つ。


平伏す俺の視界には、カジのぼろぼろになった靴しか移らず、どう足掻いてもその表情は確認できない。


そう思っていたのも束の間、俺の腹にカジのぼろぼろになった靴がめり込んだ。



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