Tactic
「……ッ……」


鼻にツーンとした激痛が走る。
あぁ、ヤバい。折れたかも。折れていないとしても、明日は腫れに腫れまくっているだろう。


いや、明日ははたして来るのだろうか。


口の中に細かい砂粒が息をする度に流れこみ、気持ちが悪いがため、吐き出しはするものの、唾液と血液で混ざった砂粒は言うことを聞いてくれず、口内に残ったままだ。

なおも、カジの攻撃は止まらない。


砂に頬を擦り寄せ、這いつくばった。


もう、なにがなんだかわからない。


頭で考えようとするが、それについていけない。

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