Tactic
「兄……貴」


まだ、声はかすれたままだった。


「少しの間、入院だってさ。明日、大部屋に移るって」


兄貴の言葉に周りを見ると、個室だということが分かった。


「あれから……俺、眠ってたの?」


「あぁ。オレが警察に色々事情をきかれて、病院に着いた頃にはもう処置が終わってたけど、なかなか目ぇ覚まさなくて……心配した」


殴られて腫れた兄貴の顔は、痛々しくて、そんな兄貴の顔を見ると、思わず目をそらしてしまう。

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