Tactic
「先輩、おめでとうございます」


背後からゆっくりと近づき、南木先輩に声をかけた私は、在校生からの花を手渡す。


「若宮!ありがとう。色々と……迷惑かけたな」

「いえ。本当に……おめでとうございます。西高に行っても、頑張ってください」


「おう。サンキューな」



先輩の笑顔。

やっぱり素敵だ。


「おい!ナギ~早くこっち来いよ!」


「今、行くってば!じゃあな、若宮。お前も頑張れよ」


ラグビー部の人達に呼ばれ、先輩は私から去っていく。


告白するなら……今。


今しかない。


ほら、言わないと……先輩が行ってしまう!



「あのっ……先輩!」


私の呼びかけに先輩は足を止め、振り返った。


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