Tactic
俺らの異様な雰囲気に、安司は俺とトーコの顔を交互に見ている。


それを感じとった俺。


「先……コンビニ行っとくな」


そう言い残し、その場を後にした。




コンビニに着くと、雑誌コーナーで立ち止まる。

眉間に皺を寄せて、収まらない鼓動に腹を立てていた。


くそっ、止まんねぇ。


心臓が、せわしなく動いて、俺の理性を狂わせようとしているようだ。


そんな中、背後から冷たいペットボトルを頬に当てられた。


驚いて振り返る。


「はい、コーラ。お前の分」



ひんやりとした俺の頬。

次第に、収まっていく心音。


ホッとした。



「安司……」


安司の笑顔につられて、俺も笑みを浮かべる。


「なに突っ立ってんの。ほら、早く帰ろうぜ」


トーコと離れ、空っぽだった、虚しさの塊だった俺に寄り添ってくれたのは、安司だ。


でも、俺、お前に秘密にしていることたくさんある。

今は何も聞かないでほしい。


そう思いながら、俺は一言返事をした。
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