Tactic
「若宮~、お待たせ~」


にんまりと笑顔の相馬くんが、手を振りながらこっちに向かってくる。

萌の顔をちらりと見ると、案の定、彼女は少し引いたような表情。


やっぱ、軽そうに見えちゃうよね。萌チャン、ごめん!



そう考えながら、私の視線はその少し後ろへ。


ゆっくりと金髪の智也が歩いてきた。


心臓が跳ねた。


萌の服を思わずキュッと掴んでしまう。


「トーコ?どうしたの?」

萌は不思議そうな顔つきで私を見たが、悟られぬよう、私は平然を装った。


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