Tactic
「ううん、なんでもない。紹介するね。相馬安司くんと……南木智也くん。で、私の友達の仰木萌ちゃん」


「南木って……ナギ先輩の?!」


先輩は相変わらず、人気者。(本人は気づいてないのだけれど)

だけど、つい最近学校で一番可愛い人とナギ先輩は噂になった。

それだから余計に、他学年にも名前を知られている。


「兄貴のこと知ってんだ?俺、弟。よろしく」


智也は萌に笑みを見せ、言葉を交わした。


なに、その営業スマイル!私に対しては、すっごい意地悪なくせに……って、私ってば何イライラしてるんだろ。


「萌ちゃんか!よろしくね~」



相馬くんは、萌の手を握り、ぶんぶんと上下に振り満面の笑み。


こういう軽いタイプが嫌いな萌の表情は、明らかにかたまっている。


私は萌に「ごめんね」と、目で訴えた。


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