Tactic
「安司~てめぇ……」


「有言実行!しなきゃ、男がすたるよ?智也が実は、ダメダメ男だって学校中に言いふらしちゃう」


安司の巧みな話術に、俺はなすすべもなく……。

あぁ、俺、もうコイツにはかなわねぇな。


そう思った俺は、諦めるようにため息を零すと、「わかったよ」と口を開いた。


「ただし、2人きりになれるチャンスがあったらな。他に人がいたら絶対、言わねー」


「えー?そういう条件つき?いいじゃん、別に誰かいたって」


頬を膨らます安司。


あぁ、俺がそんな面したいくらいだっつーの。


とりあえず、イルカショーが始まる時間に合わせ、会場に入る。


上下は10列ほど、左右は水槽に合わせるくらい、広い座席の数。


俺達は、大人数のためか、一番上の端っこの座席に座った。
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