Tactic
「あれ?なんか顔赤くない?熱でもあんの?」


そう先輩に言われて、いきなり額に手を当てられた。


きゃ~!!ちょ……ちょっと待って!先輩の手が、私の額に?!


私、きっと顔が真っ赤だ。

そう思っていた瞬間、背後から先輩を呼ぶ声。


「ナギ、何してんの?……てか、誰?」


もしかして……噂になってる南木先輩の彼女?


「萩原、待ってろって言っただろ?」


その言葉に、チクリと胸が痛む。


二人の雰囲気が、深い深い関係なのだなと、思い知らされたようで……鈍い私にも分かってしまう。


「あの……私、友達待たせてるんで、もう行きますね」


二人に一礼をして、その場から立ち去った。
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