Tactic

side智也

次第に空は暗く、月が顔を出していた。


昼間、水族館から逃げるように、つぐみの家へ行った。


貪るように、彼女の体を激しく求めたが……








自宅の前で立ち止まった俺。


ため息を漏らしながら、家に入り、二階の自室へと向かった。


ドアノブを回し、部屋に入る。


「お帰り、智くん」


ベッドに座り、くつろいでいたのは安司だった。


「……」


無言のまま、何事もなかったようにドアを閉め階段を降りようとした。


「待て待て~!どこに行くんだよ!」



そんな俺の首根っこを掴み、安司は俺を部屋に引き戻す。


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