Tactic
そんな俺の視界が、安司の顔に変わった。


「なんで俺を置いて先に帰ったの?」


俺の顔を覗き込む安司。

俺はすぐさま横を向いた。


「あの後、大変だったんだからなぁ!俺、みんなと学校違うし、話合わないし、一人で寂しい思いしてたんだよ?」


「お前のことだ。無言のままとかあり得ねぇ。どうせ一人でペラペラしゃべってたんだろ?」


「あはは……智くん、よく分かってらっしゃる」

ったく、こいつのテンションにはついていけねぇ。


「あのさ、俺、眠ぃの。もう帰ってくんない?明日、学校だろ」



「じゃあ、俺も眠っちゃおう!今日は泊まるつもりだし。あ、お泊まりセットも準備してきたんだぜ~。ほら、制服も」


と、指さされた場所には、ちゃっかりハンガーに吊された安司の制服。


あ、あり得ねぇよ。まじで!

「俺、なんでお前なんかとダチになっちまったんだろ……」


半分、イギリスの血が入ってるからか、テンション高いんだよな。


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