Tactic
結局、いつも通り学校は遅刻。


机に顔を平伏しながら、運動場を見る。


昼休み、兄貴は友達に囲まれ笑顔でバスケをしていた。


アホらしい。あんなにはしゃいじゃってさ。

弟として恥ずかしすぎる。


そんなとき、窓際の後方の俺に近づいてきたのは…


「あ、南木先輩バスケやってる」


若宮藤子。


「トーコ…」


俺は、顔を上げトーコを見据えた。


「智也も一緒にバスケしたらいいのに」


「馬~鹿。俺はあんな子供みたいな兄貴と、はしゃぐつもりねぇ。お前まだ兄貴のこと好きなんだ?」


不敵な笑みをトーコに向けた。



「……好きよ。あんたなんかより、優しいし。元気だし。いつも笑顔だし」


一瞬、眉間に皺を寄せてしまう。

だけどすぐさまトーコに気づかれないよう、俺は笑顔で再び話した。


「俺だっていつも笑顔だけど?」


憎たらしいほど満面の笑みでトーコを見つめてやる。


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