Tactic
「は?クリスマスは家にいないって?!」


ようやく、兄貴の予定を聞けたのは前日になってから。

兄貴の部屋のドアにもたれ、俺は声を張り上げた。


「だから、誠吾達ラグビー部と集まるんだって。ほら、中学最後だし」


「男同士集まって何が楽しいんだか……。てか、断れよっ」


腕を組み、呆れた口調で言葉を紡ぐ。


「なんで断らなきゃだめなんだよ?別に予定入ってなかったし」


「だって、明日はトーコがっ……」


思わず手で口を覆い隠した。

トーコのことは内緒だ。

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