Tactic
近くの公園、そこがトーコと別れる分岐点。


家の前まで送られたら、近所の人に何か言われるという理由で、いつも一緒に帰っても必ずこの公園で別れる俺達。


トーコと俺の家まで歩いてほんの数分の距離なのに、この公園が姿を表すと俺の胸は張り裂けんばかり。

憎いほどに……。


「あ~、さっみ~な!これ、やる」


かける言葉が見つかんなくて、わざと声を荒げた。巻いてたピンクと黒の千鳥柄のマフラーをトーコの首に無理矢理巻き付けると、背中を両手で押す。
「じゃあな、気ぃつけて帰れよっ」
「智也、あの……」
「今度はちゃんとセッティングしてやっから」
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