Tactic
公園の入り口からトーコの後ろ姿を見続けた。


その姿が見えなくなると、俺は一つため息を吐き出し薄暗い公園の中へ入りブランコに腰かけた。

懐かしい。


よく、ここでトーコと遊んだ。


ブランコに乗って、靴を空高く飛ばし競って、近所のおじさんに怒られたっけ。


そう、思い出し笑いをしていると背後から声が聞こえてきた。


「可愛い子だね。この前、一緒に帰ってた子?」

驚き振り返ると、そこにはリエさんが立っていた。


「リエさんっ?待ち合わせは駅だったんじゃ…」

「早く着きすぎちゃったの。で、ウロウロしてたら見ちゃった~智也くんの…」


「彼女じゃないっすよ」


声のトーンを低くし、リエさんの言葉を遮った。

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