Tactic
「なに辛気くせぇ顔してんだよ?」

言いながら、トーコの頭をくしゃりと撫でる。


「チャイムなるぞ?」


低い声で呟きながら通り過ぎた。


心臓が、また一段と速くなる。


静まれと願っても、静まらない。


トーコが始業式に出るなんて珍しいと言った。


それは【かけひき】の為。

俺とトーコ、二人だけのかけひき……。


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