私の好きな人
卒業式当日は、寒くて、でもすぐにベッドから出ることができた。


空は快晴。


気持ちのいい朝。



「おはよー。」


駅に向かっていると、いつもの様に歩が声をかけてきた。


「歩、おはよ。なんか、気合い入ってる?」


「うん!最後だし、これぐらい許してくれるでしょ!!」


歩は、いつもより髪を巻いていて、化粧もバッチリだった。
うちの学校は元々髪を巻くのも、化粧するのもダメな学校で、歩は天パだっていいながら生活指導から逃れていた。



「担任に何か言われるね、それ。」


「別にいーもん。あんなやつ知らないし…」

昨日の放課後何があったか知らないけど、歩は少し悲しそうに言った。



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