私の好きな人

「おはよーございます。」


嫌な顔をして、怒っていた宮崎さんががらりと顔を変え、挨拶を返していた。


あまりの変わり様に呆然としていると、

「今年の新人はなってないのね。挨拶すらできないのかしら?」

鼻で笑いながら、私にしか聞こえない様に言った。



昨日、思った優しくて綺麗な人というのはものすごい間違いだった…


普通なら、こんな状況に立たされた時、悔しいとか泣きたくなるとかあるのかもしれないけど、私は逆に呆れてしまった。

きっと、それが顔に出ていたのだろう…

「生意気な顔してるわね。まぁ、いいけどすぐにここから追い出してやるから。」


いきなりの事で、混乱したが、自分でも驚くほど心は冷静で、なぜ、追い出されようとしているのか、考えていた。





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