私の好きな人

新人を任せたのは今回が初めてではない。

なぜ今回に限って、つらく当たっているのか、検討がつかなかった。


早く仕事を切り上げて帰るしかなかった。

俺が居れば守ってやることもできる。



「悪かったね。急に電話して」


『いえいえ。部長の方は仕事どうですか?』


「順調だよ。早ければ明後日には帰れる。」


『本当ですか!部長がいないと皆気合いがいまいちなんですよ!』


「そうか…。まぁ、なるべく早く帰るよ。」




なるべく、なんて物じゃない。

一刻も早く帰りたかった。


佐藤さんの為に……




< 51 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop