私の好きな人
新人を任せたのは今回が初めてではない。
なぜ今回に限って、つらく当たっているのか、検討がつかなかった。
早く仕事を切り上げて帰るしかなかった。
俺が居れば守ってやることもできる。
「悪かったね。急に電話して」
『いえいえ。部長の方は仕事どうですか?』
「順調だよ。早ければ明後日には帰れる。」
『本当ですか!部長がいないと皆気合いがいまいちなんですよ!』
「そうか…。まぁ、なるべく早く帰るよ。」
なるべく、なんて物じゃない。
一刻も早く帰りたかった。
佐藤さんの為に……