私の好きな人


「…部長…さん…?」


光が逆光で、よく見えない。

「ダメだなぁ…。また、部長さんだ。2人の時はなんて呼ぶんだっけ?」

「えっ?あ…仲原さん……です。」

「よしよし。」

仲原さんは私に近づいてきて、頭を撫でた。


「っあの!なんで、ここに?早過ぎませんか?まだ1週間くらいしか経ってませんよ?予定では2週間じゃ……。」


「うん。そうだったね。でも、仕事を早く切り上げて帰ってきた……俺がいないと皆、気合いが入らないんだってさ。」


「俺」って…いつも「私」なのに……


「仕事の時と使い分けてる。」


また、気持ちを読まれた………
何回か、こういう事があった気がする。


「そうなんですか。なんか、かっこいいですね。」

「そう?普通だと思うけど?」




このやり取りを見ていた人はなんて思うかな?2人の世界みたいな……

仲原さんの事が好きな人なら、嫉妬しちゃうよね…………


私は気づいてなかった。
宮崎さんが、見てたことに……



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