私の好きな人


「いや…なんていうか、勘ですけど……」

あんなに苦しそうな顔して、私に口止めしていた宮崎さんはもう、ここには戻って来ない気がした。

「うーん。女の勘ってやつか…」

仲原さんは呑気に言って、フロアに戻るべく、私の手を引いて歩き始めた。
その後に高橋さんも続く。




「あっ!佐藤さん大丈夫?」

フロアに戻ると、営業部の皆さんが、一斉に駆け寄ってきた。

「大丈夫、佐藤さんは無事です!」

仲原さんが答えると、安心した顔になり各自席に着いた。



私からのお願いもあり、警察沙汰にならなかったが会社中に知られてしまい、他の部署の人から噂されたり、チラチラ見られたりするようになった。




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