私の好きな人
エレベーターに乗ると、2人だけだったので、少し話していた。
3階で、女の人が2人入ってきた。
「ねぇ、ほら、あの子だよ。ナイフ突き付けられたの…」
「何したのかしら…」
いつもこんなかんじ…
ひそひそ言われて、見られて、はっきり言って辛くなる。
真弓にも悪い気がして……
真弓の部署は5階にある。
「ねぇ、真弓、5階…着いたよ?」
「………………」
何も言わずに、じっと女の人たちを見ている。
女の人たちもその視線に気づき、ひそひそ話すのも、見ることもしなくなった。
結局、エレベーターのドアは閉まってしまい、真弓は7階まで一緒に来た。