私の好きな人
「じゃね〜!今日も一日頑張りましょー」
真弓は手を振って階段から5階へ行った。
ぼんやりと、さっきの出来事について考えていると急に耳元で声がした。
「おはよーございます。」
思わず耳を手で押さえて、その人を睨みつけてしまった。
「あ…怖い顔もできるんだね?」
「仲原さん…」
ニコニコ笑っている仲原さんにため息が出た。
「何か考え込んでたね。何かあった?」
「いえ、何もないです。」
「……また、言ってくれないんだね…」
「え…?」
それだけ言うと仲原さんはどこかへ行ってしまった。