【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
「今は…あの時と変わらず、癒杏が好き」



「…!」



信じられない…。



これ…素直に受け止めていいのだろうか…。



でも、“沙紀”という名前を出された以上、素直に受け止めるわけにはいかなかった。



「…雪兎、その沙紀って人と付き合ってたの?」



「は…?沙紀と?まさか」



鼻でバカにしたように笑う雪兎。



それを聞いて、少し安心する自分がいた。




「想いは…俺が日本に帰るときまで届かなかった。

…けど、俺が日本に帰るって言ったら私も行くって聞かなくって…。

結局、両親の許可を得て日本に来てんの」

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