【完】恋の欠片―ユアン編―㊤
「雪…兎?」


さっきのとは違う、冷たい声。



私はドキッと胸が高鳴った。



雪兎…怒ってるの?



「返事…なし?」



上目遣いで私を見る雪兎。



明らかに機嫌が悪そうだった。



「ゆ…きと。ごめんね」



「…なんで謝んの?」



雪兎は立ち上がり、私の両肩を持った。



近づいてくる女の子の足音に耳を澄ましながら、冷や汗を流す私。

< 112 / 156 >

この作品をシェア

pagetop